家庭での血圧測定「降圧剤を服用しているし別に症状がないから血圧を測らなくっても大丈夫」?
降圧剤を服用されている方に、家での血圧をたずねると、「別に、めまいもふらつきもないので、測っていません」とよく言われます。降圧剤は飲むことに意義があるのではなく、目標とする血圧の値を維持することに意義があるのです。もし、血圧が高いせいでめまいやふらつきが出ているのならば、その血圧の値はかなりの高値であり、そんな状態であれば申し訳ありませんが、脳卒中や心筋梗塞の合併症は目前、そう先のことではありません。 長い目で見て、合併症予防のために目標としているのはあくまで至当な血圧の数値であり、そのレベルでは、まず、血圧が高いことによる症状などありません。ですから、診察に来た時に、月に一回ぐらい測っているだけでは不十分なのです。毎日でなくてもかまいませんが、家でも血圧を測ってみられることです。
また、血圧の測定はできれば、朝と夕の2回程度は測られるほうがいいでしょう。人によっては、朝のほうが高い人、夕のほうが高い人、酒を飲むと極端に血圧が下がる人、休みの日には血圧が下がる人、また、日曜日の夜(休日明けの仕事に行く前)に血圧が上がる人など様々であり、それによって服用のしかたを変えたりすることもあります。また、診察室での血圧の方が高い人が一般的ですが、家での血圧の方が高い方もおられます。
家で血圧を測られるなら、是非、手首で測るものではなく、上腕(肘の上)で測る機械をご用意ください。高血圧学会でも、指標とするのは上腕式の機械としています。2回測って平均を記録するというのが推奨されています。