腰椎の圧迫骨折1・・・必ずレントゲンに写る?
ある程度の年齢の方が、尻もちをつくなどの軽い外傷(時には全く外傷らしいエピソードのない場合もある)の後、結構ひどい腰痛が出た場合の話です。すぐに、救急で病院を受診される方も多いです。そして、そこで骨には異常がありませんと言われ安静にしていたが一週間たっても少しも良くならないといって受診される。そこでもう一度レントゲンを撮ってみると腰椎や胸椎といった背骨に圧迫骨折が見られる例を数多く経験します。多くの場合、発症後1~2週間もたてばはっきりしてくるのですが、時には、1~2か月もたたないと明らかにならない例もあります。なかには、MRIを撮影してようやく診断されることもあります。確かに、注意深く見ると、椎体の圧迫骨折の場合には、背中の中心線上に並ぶ棘突起という骨の出っ張りを叩くと痛みが出てわかることも多いのですが、はっきりしない場合もあります。
脚立から落ちたとかである程度の外傷であれば、多くの場合すぐにレントゲン検査で骨折が明らかになることが多いのですが、ある程度の年齢の方で骨粗鬆症を基礎として、前述のような軽微な外傷で生じる圧迫骨折の場合は、発症直後のレントゲンだけでは診断できないことが多いので、1週間も強い腰痛が続くようならレントゲンの再検査やMRIをとられるほうがいいでしょう。