本邦における信頼のできる複数の調査で、高齢になると6人に一人が罹患するという認知症。その多くは、その予防に関しては、あれがよいこれがよいと様々な報告が出ていますが、現時点で確実に有効な(科学的に検証されたデータ)はないというのが現状です。また、治療に関して、アルツハイマー病に対する、アリセプトの様なコリンエステラーゼ阻害剤とNMDA拮抗阻害薬が出て以来、最近、新しい薬剤は出ていません。また、これらの薬にしても、病気の進行を遅らせることができても完全に止める効果はありません。

治療薬に目新しいものはありませんが、最近、認知症や運動障害の鑑別に、MRI以外に、SPECT(脳血流検査)やDATスキャンや心筋MIBGが外来での検査として利用可能となってきていますので、非定型的な認知症の診断に関しては、以前の様な臨床的印象だけでなく多少、客観的データを使えるようになってきました。・・・まあ、診断できても治療薬はないのですが。