変形性膝関節症等では、しばしば、膝に液が貯留します。いわゆる、「膝に水がたまった」状態です。この膝の水を抜くとクセになるので抜いてはいけないという方がいます。本当でしょうか? 私は、寡聞にして、医師でこのような意見をお持ちの方に出会ったことはありません。

一般的には、膝に水が溜まって膨れている状態が続くと、膝関節を取り囲む周囲の組織が伸びてしまう。そうなれば、膝の固定が甘くなり不安定となる、そうなれば、膝関節の変形はさらに増悪すると考えられています。

また、急性の炎症で膝関節に液が溜まり脹れている状態であっても、ドレナージ(排液)は外科の基本的中の基本の考え方ですから、やはり抜くべきでしょう。

少なくとも、水を抜くことによって、クセになるということはありません。